子どもは学校よりも家庭で多くのことを学ぶ。
親子のコミュニケーションを重視し、子育てをサポートする家ができました。

モミの木による癒し、そして優れたデザイン性!

自らが調べ、学ぶ意欲を引き出し、そして答えを導き出す・・・、という「調べ学習」を提唱する深谷さん。「自然と親子のコミュニケーションが取れるような空間がほしい、中でも食卓には力を入れたい!」とのお話をいただき、私の中ではモミの木の家しかない!と思い、ご提案いたしました。

その理由として、やはりモミの木は森林浴のごとく癒し効果も期待されることから、コミュニケーションを図る場にはぴったりだと感じたからです。

現代では、テレビやゲームなど一人で楽しむ娯楽が増える一方、コミュニケーションの不足はよく問題視されています。そこで、あえてテレビは隠してしまおう!という試みも、真相はコミュニケーションを重視したからこそ。
左右に可動するマガジンラックで、テレビを隠すことができる大きな書庫の利用と、手に届く位置に子どもの大好きな絵本を置くことで、コミュニケーションをとりつつ、子どもが一人の状態になっても、自ら読み学習することが出来ます。
モミの木の集中力向上効果が、最大限に発揮される優れた構造です。

モミの木の効果から、ぴったりだと感じた部分が多くを占めますが、やはり質感や見た目を考えても、モミの木でよかったのだと思います。モダンなデザインや、近代素材を使うと、どうしても暖かさは出にくくなります。深谷さんの信念に基づくと、木を使うほかなかったのかもしれません。

深谷邸イメージ 深谷邸イメージ
深谷邸イメージ 深谷邸イメージ
深谷邸イメージ

コンセプトに合わせた空間をリビングや食卓に配置しましたが、そのほかにもモミの木をふんだんに利用しているので、どの部屋にいてもぬくもりを感じられます。

こんな家なら、3人のお子さんが大人になっても、家を出て行きたくないなんて言い出すかもしれませんね!

 

物件データ

京都府京都市右京区 深谷圭助 邸
●敷地面積:133.67m2 ●工法:木造軸組工法
●延床面積:128.12m2 ●竣工年月:2008年2月

深谷圭助 深谷圭助プロフィール

中部大学現代教育学部准教授、元立命館小学校校長、博士(教育学)。ベネッセコーポレーション辞典企画アドバイザー、小学館国語辞典編集委員。
1965年生まれ。愛知教育大学卒。名古屋大学大学院博士後期課程満期修了。 愛知県刈谷市立亀城小学校教員時代に、小学1年生に国語辞典を与えて、授業や生活のあらゆる場面で辞書を引 き、付箋を使って「自ら調べて考える」教育を実践する。その「辞書引き学習法」は、子どもたち自らの「学ぶ 意欲」を引き出し、育てる画期的な指導法として、教育界の注目を集める。立命館小学校の設置準備室室長補佐 として開校当初からの中心的メンバーとなり、2006年4月、同校教頭に、2008年4月より2010年3月まで校長に就任。